荒川区のコロナウイルス対応について
*この記事は荒川区内のコロナウイルス感染者の発生の有無に言及するものではありません。その点をご理解いただいた上でお読みください。
*上に掲載している区の基本方針を読んだ上で本文を読み進めてください。
こんばんは。
荒川区議会議員の宮本舜馬です。
先日、私のもとに「区内でコロナ感染者が出たのは本当か」というお問い合わせをいただきました。
不要な混乱を招かないためにも、事実の確認を行ってから返答するべきと考え、本日まで詳細については触れませんでした。
本日予算委員会後に所管の課長とお話をさせていただき、現状の感染者の有無に関わらず、区は情報公開を基本とするべきだという意見を伝えました。
以下、担当課とのやり取りになりますが、少し長い記事になる事をご了承下さい。
まず、区民の方が私に問い合わせをしてくれた際に、「感染者の発生については答えられないが、濃厚接触者に対して連絡は済ましてある」という趣旨の回答をされたということについて事実関係の確認をしました。
区の回答としては、「濃厚接触者への連絡を済ませたということは間接的に発症者を認めることになり、そのような対応を行った事実は無い。そして公表も一切していない」とのことでした。
私のその他の質問と指摘に対しても、「公表できる部分については公表していく」の繰り返しで、結論から申し上げますと何か前向きな回答を得られたわけではありません。
そして、この記事を読んでくださっている方は荒川区内のコロナウイルスに対して不安をいだいている方も多くいると考えます。
知り合いの区議会議員などに問い合わせようとしている方もいるかもしれません。
しかし、感染者の有無については区議会にも一切情報は流されていないので、出たのかどうかについても確定的なことを言えないのが現状です。
担当課にも伝えましたが、現在の荒川区の情報公開対応は正しくないという事をあえて申し上げさせていただきます。
行政が握る情報というのは基本的にはオープンにされるべきで、その中で個人情報などの一部の情報については公開が限定されていくべきです。
しかし、荒川区のコロナへの対応は「基本的に情報は公開せず、出せるものについては公開していく」という、本来の情報公開のあるべき姿とは真逆をいくのではないでしょうか。
感染者の公表がされることで、個人の特定が始まったり、発生した事実に不安を感じる方も出てくることは確かですが、出たのかどうかもハッキリわからず、不確かな情報が一人歩きする方が区民は不安に駆られると私は思います。
感染者が出ていないのであれば、その情報は正しくありませんと否定をすることで区民も安心ができ、感染者が発生したのであれば個人情報などに配慮をし、特定などが行われない工夫をしたうえで速やかに公表をすることが区の発信する情報の信頼が増すことに繋がり、結果として区民も正しい判断をすることができるのではないでしょうか。
足立区が感染者の公表を行ったことで、周辺自治体の住民は「足立区は公表したのに」と、求める情報公開の水準が高く設定されています。
それによって、荒川区の基本的には公表をしないという対応は、区政に対して一層不信感を抱くことになると考えるに、私は早期に方針を転換すべきだと思います。
今日も担当課に提案をしましたが、基本的には公表しない事になっているので答えられないと説明するよりも
「学校や区の施設で感染者が出た場合には公表を行うが、その他については都に相談の上で、個人のプライバシーに配慮をして公開するかどうかを検討する」
とした方が、説明を受ける区民の感じ方も違うのではないでしょうか。
SNSが発達して情報があっという間に広がる現代社会で、公表は行っていないの一点張りの対応は区として悪手であることはこの場でも指摘をさせていただきます。
真偽が定かではなくても、荒川区で感染者が出たいう情報を目にすれば不安になりますし、感染者の身内や知人を名乗る人物がSNS上で確定的な証拠を出しながら発信をすれば、区が認めるかどうかに関わらず情報の信頼性は上がり、後になって「なぜ区は隠していたんだ」という声が、区に情報を隠す意図がなかったとしても上がることは火を見るより明らかです。
なにより、デマがデマであることを証明するためにも、区は正確な情報の発信者として情報公開を行うべきです。
ネット上には嘘をついて注目を集めようとする人間もごく僅かですが存在するので、区民の皆様におかれましては、非常時こそネットリテラシーを発揮して、正確な根拠がない情報を安易に信じないようにお願いをいたします。
荒川区のホームページを見れば感染者の情報が確認できます!と区議である私が言えるようになるためにも、荒川区には積極的な情報公開を行なってもらえるように引き続き求めます。
東京都の方針と荒川区の方針にも矛盾があり
「人権侵害やいじめ発生の危険性が高まることから、居住地の公表は都内に統一し、感染者の居住地が荒川区であっても区から改めて公表は行いません」
とある一方で
「足立区の事例のように、感染者が保育園、学校、学童クラブ、区有施設の利用者や管理者など、社会的インパクトが大きい場合には、都と協議の上で感染者の公表を行う」
とされています。
いじめや人権侵害が最も懸念される場所は学校ではないのでしょうか?
学校などで感染が発生しても、人権侵害やいじめ防止のために、一律で発表を行わないというのであればまだ整合性があると思います。
都の方針を遵守する一方で、都と協議の上とはいえ、感染によって最もいじめや人権侵害が起こりやすい場所であると考える学校などでの感染者については、荒川区の判断で感染者について発表するというのは、私は矛盾していると感じます。
更に、スーパーマーケットやスポーツ施設など、不特定多数の人が利用する施設についても感染者が発生すれば社会的インパクトは大きく、もしこれらについても公表することになるのであれば、基本的に公表はしないという現在の区のスタンスは、結局のところ対応が後手後手になっていると感じさせてしまう要因になります。
区にはこの対応について意見を申し上げてきましたが、不要な混乱を招くことを目的としてこのように指摘を行なっているわけではありません。
区民が正しい情報を元にして、正しく対応を行うことには情報公開が必要だと考え、区民の立場に立って必要であると申し上げております。
区としては、区が出している情報以上のことは発信したくないのかもしれませんが、それが果たして区民のためになっているのか。
行政の握っている情報は出さないことが当たり前になってしまえば、コロナ以外の場面でも出さないことが当たり前になっていきます。
情報は基本的には住民に対してオープンであるべきという指摘は最後にもう一度行わせていただきます。
私が今お伝えできることはこのブログにまとめましたが、それでも不安なことがあったり、こういう対応を行政に求めてほしいという意見がある方は、TwitterのダイレクトメールやLINE@、Facebookのメッセンジャーも開放しておりますので気軽にお問い合わせください。
この記事を公開するにも色々とありましたが、私は区民の代表である以上、区民に必要な情報は伝えていくべきだという信念は貫かせていただきます。
(守秘義務などもあるので伝えられる情報の中で)
最後になりますが、改めてこの記事は感染者の発生に言及するものではありませんので、区民の皆様には必要以上に疑心暗鬼になったり、不安にならないようにお願い申し上げます。
また情報が更新されましたら発信いたします。
ではっ!
1コメント
2020.03.09 17:37